ある日、廃棄もされず触られることもなく、仕事場の隅にひっそりと置かれていた壊れたスキャナーの機械に目が行った。
「これ、処分しないと」と思いつつ、気まぐれで分解してみようと思い立った。
細分化出来れば粗大ゴミではなく普通ゴミとして処理できるのではないかと考えたからだが、それ以上に分解することへの興味がむくむくと湧き上がってきた。
子供の頃、壊れた時計を分解し中から出てきたゼンマイや歯車を見て興奮しいてた。
壊れてもいない扇風機を分解し、元に戻せなくなった時もあった。
年を経てすっかり忘れていた分解への興味が、壊れたスキャナーを目にして蘇った。